占星学

【 山羊座 】〜 一般的な占星学・人智学・秘教占星学における黄道十二宮の星座(4)〜

この記事のシリーズは、黄道十二宮の各星座の概要を(1)一般的な占星学 (2)人智学 (3)秘教占星学の3つの視点でまとめたものです。

 

 

1. 一般的な占星学における山羊座

 

1-1. 象意

真面目、規律、社会貢献、義務感、打算的、保守的、分別、権威的、組織化、孤独、修行、等々

 

1-2. 基本データ

● 標準期間 : 12月22日〜1月19日

● キーワード : I use 私は使う(使役)

● 二区分 : 陰

● 三区分 : 活動(カーディナル)

● 四元素 : 地

● 四機能 : 感覚

● 二十四節気 : 冬至・小寒

● 体の部位 : 膝・骨格

 

1-3. ディグニティ(品位)

● ルーラー(支配星) : 土星

● エグザルテーション(高揚) : 火星

● デトリメント(障害) : 月

● フォール(転落) : 木星

 

2. 人智学における山羊座

 

2-1. 人智学における時代区分

山羊座に春分点がくるのはポスト・アトランティス第七期(AD5733年〜AD7893年)です。

別名、第七文化期と呼ばれるこの時期は、蟹座が春分点にあった第一文化期と呼応(類似)しており、第一文化期を一段高いレベルで実現すると言われています。

シュタイナーによると、この時期には、道徳を有しない知性は存在することができなくなっているといいます。

 

2-2. 人智学における世界観

人智学によると山羊座は「唯霊論」という世界観で私たちを照らします。

唯霊論とは「あらゆる物質は、その基盤にある精神の開示にすぎず、物質は幻想である」とする世界観です。

 

2-3. 人智学における星座の気分

   山羊座

未来よ、過去にやすらえ。

過去よ、未来を

力強い現在へと感じ取れ。

内的な生命の抵抗のなかで

世界存在の監視が強まり、

生命活動力が開花せよ。

過去よ、未来を担え。

ルドルフ・シュタイナー「瞑想と祈りの言葉」

 

3. 秘教占星学における山羊座

アリス・ベイリー著「秘教占星学」より山羊座に関する御教示を引用します。

 

3-1. 山羊座の支配星(ルーラー)と光線

● 顕教ルーラー:土星・第3光線・関係する星座はなし

● 秘教ルーラー:土星・第3光線・関係する星座は射手座

● ハイラーキールーラー:金星・第5光線・関係する星座はなし

 

・顕教ルーラーとは、普通の人間に関する支配星(伝統的な占星学における関係)

・秘教ルーラーとは、弟子とイニシエートにおける支配星(伝統的ではない占星学における関係)

・ハイラーキールーラーとは、ハイラーキーに関係するルーラ(伝統的ではない占星学における関係)

 

3-2. 山羊座のデカネート

● セファリアル : 木星・火星・太陽

● アラン・レオ : 土星・金星・水星(太陽)

 

3-3. 山羊座についてのジュワルクール大師の教え

 

この宮は、それについて書くことが極めて難しい宮の一つである。というのは、あなた方も知っているように、それは十二星座すべてのうちで最も神秘的な宮だからである。

(上巻・P180)

 

それは、この世の最も岩だらけの不毛の地で食物を探し求める山羊の宮であり、そのため人間を鉱物王国に関係づけている。

それはまた、半分は水の中で生活し、半分は渇いた土地で生活するワニの宮でもあり、霊的には古代の神話で「戦い、勝利する生き物」と言われている一角獣(ユニコーン)の宮でもある。

これらの生き物の象徴のもと、この宮は、地に足をつけながらも自由に駆け巡り、(そのとき)自分にとって非常に必要であると認識しているものを求めて、世俗的な野心や霊的な熱誠の高みへと駆け上がる人間を極めて完璧に描写している。

(上巻・P180)

 

山羊のように彼は、欲求を満足させることを貪欲に求める世俗的かつ人間的な人間である。

もしくは、自らの熱誠を満たすものを探し求める同じように利己的な熱誠家である。

(上巻・P181)

 

変動の十字架での初期段階においては欲求(水)と動物性質(地)が混ぜ合わされた人間であり、逆転した車輪においては、魂と形態が混ぜ合わされた人間である。

(上巻・P181)

 

この宮の基調はすべて、結晶化の過程を示している。

(上巻・P185)

 

第一に、山羊座は地の宮である。この宮において、私たちは人間の魂に可能な最も濃密な具体的物質化の点を表現してきた。そのとき人間は「土のような地からなり」、新約聖書で「最初のアダム」と呼ばれるものである。この意味で、山羊座は死と終局の種子ーーいずれは最終的に魚座で起こる死ーーを秘めている。

(中略)

第二に、山羊座は常に終局の宮であり、山頂がしばしば(いつもそうとは限らないが)その象徴になっている。というのは、特定の生涯周期においてそれ以上は上昇することができない点を印しているからである。

(中略)

第三に山羊座は、これらすべての結果として、行われる努力が個人的な人間に関係するものであれ、イニシエートに関係するものであれ、新たな努力の周期が始まる宮である。努力、緊張、苦闘、下界に生来備わっているフォーストの戦い、弟子道やイニシエーションのテストに伴う過酷な状態ーーこれらが山羊座での経験の特徴である。

(上巻・P185)

 

山羊座の顕教的な支配星と秘教的な支配星は同じであり、土星がこの宮の人間の人生を支配している。それは、その人が通常の車輪にあるか、逆転した車輪にあるか、もしくは変動の十字架にあるか、不動の十字架にあるかには関係がない。

第三イニシエーションを受け、基本的な十字架に意識的に登ったとき、彼は土星による支配から解放され、金星の影響力のもとに入る。金星は、ワニの統治者であるハイラーキーの支配星である。

(上巻・P191)

 

土星は、四人のカルマの主のうち最も強力な主であり、人間を過去に直面させ、現在において将来のための準備を整えるよう強いる。カルマ的な機会の意図と目的はこのようなものである。

ある観点から見れば、土星は惑星的な敷居の住者と見なすことができる。というのは、人類全体は臨済の天使だけではなく、その住者にも直面しなければならず、そうすることで、住者と天使の両方が人類家族である複雑な二重性であることを発見するからである。土星が双子座との特異な関係においてこれを可能にする。個人的な人間は、山羊座にいる間にこれを発見し、両極端に直面する。第四創造ハイラーキーと第五創造ハイラーキーは天秤座において同じことを行う。

したがって、土星と金星を通して山羊座は天秤座と関係づけられ、双子座と牡牛座とも結びついている。この四つの星座ーー牡牛座と双子座と天秤座と山羊座ーーは、強力なエネルギーの四つ組を構成し、イニシエートがイニシエーションの準備ができていることとその能力を実証できる状態と状況を四つ組の間に生じさせる。それらの宮は「四人の秘密の守護者」と呼ばれている。

牡牛座ーー光の秘密を守護し、イニシエートにイルミネーションを授ける。

双子座ーー二重性の秘密つまり神秘を守護し、より偉大な相反する対をなすものの融合へと導く言葉をイニシエートに与える。

天秤座ーーバランスと平衡の秘密を守護し、イニシエートをカルマの主方の力から解放する言葉を最終的に語る。

山羊座ーー魂そのものの秘密を守護し、これを第三イニシエーションのときにイニシエートのときにイニシエートに明らかにする。これは時として「隠された栄光の秘密」と呼ばれる。

(上巻・P192)

 

聖書で語られている様々な山頂での偉大な経験はすべて、山羊座に関係している。シナイ山での法の授与者であるモーゼは、人々にカルマの法則を課す山羊座にいる土星である。カルマのエネルギー交換所としてのユダヤ民族の意義を解明する鍵をここおに見出すことができる。「カルマのエネルギー交換所」という言葉について熟考しなさい。

新約聖書に書かれている変容の山は、愛とマインドと意志がキリストという人物において出会い、あらゆる人々の前で「彼は変容した」ときの山羊座における金星である。

父に関するヴィジョンと、死の場所であると同時に平和の町である「エルサレムへ上って行った」(マタイによる福音書・第20章18節他)ときに何をしなければならないかについてのヴィジョンが彼に与えられた。このエルサレムは魚座である。

水瓶座において、キリストは弟子たちを「水がめを運んでいる男」(ルカによる福音書・第22章10節)つまり水瓶座に接しさせ、二階の広間に案内させ、晩餐会に象徴される合一と統合を経験させた。

(上巻・P195)

 

キリストは山羊座で生まれ、土星のもとで法則を満たし、金星のもとで知的な同胞愛の時代の幕を開けた。

彼は、水瓶座において世界奉仕者になり、魚座において世界救世主になることで、黄道帯の周回を完結し、魚座において誇らしげに「成し遂げられた」(ヨハネによる福音書・第19章30節)と言うことができる山羊座のイニシエートの完璧な模範である。

(上巻・P196)

 

山羊座の反対極は蟹座であり、すでに学んできたように、この二つの宮は黄道帯の二つの大きな門であるーー一つは輪廻転生、集団生活、人間としての経験への扉を開き、もう一つの門は霊の生活、私たちの惑星ハイラーキーの生命と目的である神の王国の生活への扉を開く。

蟹座は私たちが人類と呼ぶ世界センターへと魂を導き入れる。山羊座は私たちがハイラーキーと呼ぶ世界センターの生活に魂を意識的に参加させる。

天秤座は私たちがシャンバラと呼ぶ世界センターへと魂を導き入れる。というのは、天秤座は始まりの場である牡羊座の反対極だからである。天秤座は、牡羊座において初めて一つになる霊と物質の完全なバランスを表している。

(上巻・P196)

 

秘教的にすべての世界救世主と太陽神は山羊座で生まれるが、最悪タイプの人間ーー冷酷で、物質主義的、残虐で、誇り高く、利己的な野心を抱き、自分本位の人間ーーもそうである。

(上巻・P197)

 

山羊座は膝を支配しているが、これは象徴的に真実である。

というのは、山羊座の人間は、完全に謙虚な気持ちで、岩だらけの山頂にひざまづいて、自分のハートと生命を魂と人類への奉仕に差し出すことを学んだときに初めて、イニシエーションの扉を通過することが許され、生命の秘密を託されることができるようになるからである。

膝をついた状態でしか、その扉を通ることはできない。

(中略)

山羊座に生まれた人間が霊と真理に膝まづくことができるならば、彼はそのとき、山頂におけるイニシエーション過程のための準備が整う。

(上巻・P197)

 

すべての宮のうち最も物質的なこの宮は、古い確立された秩序や習慣と新しい高位の性向や傾向との戦場である。山羊座に支配されているインドは幾時代にもわたって戦場であった。

(上巻・P198)

 

山羊座において物質が勝利し、物質は最も濃密で最も具体的な表現に達するが、霊の勝利がこの勝利に続く。山羊座において地の性質が完全に表現されるが、限りない霊的な可能性も表現される。

例えば、インドは広範囲にわたる堕落を表現しているが、同時に霊的な達成の高みも表現している。

(上巻・P199)

 

山羊座において世界のイニシエートになってから、彼は水瓶座において転生した世界奉仕者になり、後に魚座において世界救世主になる。

(上巻・P202)

 

 

以上で、一般的な占星学・人智学・秘教占星学の視点による山羊座のまとめを終わります。